トラネキサム酸は、喉の炎症を鎮静する効果が期待出来る事から多くの市販の風邪薬に配合されている有効成分であり、喉に痛みを引き起こすヒスタミンやプロスタグランジン及びブラジキニンの分泌を促進するプラスミンの働きを阻害する効果が期待できます。
喉の炎症は、ウイルスや細菌などの侵入により喉の組織のパターン認識受容体がダメージを受けた事を認識する事で免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質であるサイトカインによって引き起こされると共に、炎症メディエーターのヒスタミンに晒されたセレクチンやインテグリンなどの細胞接着分子と結合した白血球が集まる事で発症しますが、トラネキサム酸はプラスミンのリジン結合部位と結合する事でプラスミンの働きを阻害しヒスタミンの分泌を抑制します。
ヒスタミンは、血管作動性アミンとヒアルロン酸系の糖タンパク質などを含む好塩基球や神経伝達物質アドレナリンを放出するクロム親和性細胞及び肥満細胞で生合成されアレルギー反応や炎症を発症させる原因物質であり、プロスタグランジンを活性化し痛みを発症させます。
トラネキサム酸は、抗プラスミン効果でヒスタミンを抑制する事でプロスタグランジンも抑制し、炎症の痛みも軽減する効果があります。

トラネキサム酸は、吐き気や嘔吐などの消化器系の副作用に加え、過敏症による皮膚症状や眠気などの神経症状などの副作用があります。
発症リスクは1%以下ですが、体質や既往歴によっては副作用の発症リスクが高まるので服用の際には担当医の指示に従う必要があります。
トラネキサム酸は、ブラジル産Bothrops属の蛇毒より分離精製された酵素止血剤であるヘモコアグラーゼとの大量併用は血栓形成のリスクがある事から飲み合わせる際には細心の注意が必要とされており、また慢性動脈閉塞症に伴う虚血性諸症状の改善に用いられる抗血栓薬であるバトロキソビンも血栓や塞栓症を引き起こすリスクがある事から飲み合わせる際には細心の注意が必要とされています。

併用してはいけない薬はある?

トラネキサム酸というとシミの治療薬として注目を集めていますが、もともと風邪による喉の腫れや痛みの改善薬として処方されてきた薬の成分でもあります。
風邪などで喉や口内に何らかの異常が発生すると、血液中に流れているプラスミノーゲンというタンパク質がプラスミンというタンパク質に変化して粘膜から浸透してしまいます。
このプラスミンはヒスタミンやプロスタグランジンなどの炎症や痛みを発生させる原因にもなり、血管を拡張させてしまうため患部が腫れて痛みが発生してしまいます。
トラネキサム酸を主成分とするトランサミンはプラスミンの働きを阻害する働きがあるため、炎症や痛みを抑えることが可能となっているため、風邪薬の多くに含まれています。

多くの医薬品には使用禁忌とされているものがありますし、副作用や飲み合わせに注意を行うべき医薬品もありますから、事前によく理解しておく必要があります。
トラネキサム酸は風邪薬や美白化粧品だけではなく止血剤としても使用されています。
ただトラネキサム酸には血栓を作りやすくするという作用があるためトロンビンとの併用を避ける必要があります。
そのほかにもヘビ毒に由来するヘモコアグラーゼと大量に併用した場合血栓が作られすぎてしまう危険性もあります。
抗血栓薬のバトロキソビンと併用した場合には、血栓塞栓症を起こすリスクも高めてしまいます。
このように炎症や痛みを抑えたり、美白効果が得られるトラネキサム酸ですが、発疹や発熱・かゆみなどのアレルギー症状を起こすことがありますし、胸焼けや吐き気・下痢などを起こすことがありますから、こういった症状を起こした場合には医師に相談するようにしましょう。
また血液凝固障害のある人や血栓症の人はあらかじめ医師に報告するようにしましょう。